言葉のマリアージュ

Mariage:フランス語で「結婚」を表す言葉。もともとふたつで別々だった存在が調和した状態になることを、人はマリアージュと言う。人の言葉とあなたの感覚。そのマリアージュを生み出したい。

胡散臭い本を代読してみた

午堂 登紀雄さんの「年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人」を読んでみました。

年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人
年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人
学研マーケティング

【経歴】
中央大学経済学部卒⇒米国公認会計士⇒東京都内の会計事務所⇒アーサー・D・リトル⇒株式会社プレミアム・インベストメント& パートナーズ⇒株式会社エデュビジョン


【 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人のマリアージュポイント】



・人生を後悔するときそれはやったことに対してではなく、恐れて挑戦しなかったこと、まだやれる余力があったのに、やり尽くさなかったことに対してだ。



まず、この本に関しては取り扱い注意としたい。
すべてを鵜吞みにする人は読まない方が良いだろう。


それを踏まえて、上記の言葉を読んでみて欲しい。


【本の内容】


下記の言葉に惹かれたら、ページをめくることをオススメしたい。
逆に「常識的に考えて有り得ない」と感じる人は読まない方が良いだろう。


・300万の人にとって労働は美徳だが、1億の人にとっては無能の証。
・300万の人は赤信号で止まるが、1億の人は気をつけながら渡る。
・300万の人は家計簿をつけるが、1億の人はどんぶり勘定。
・300万の人の机の上はきれいだが、1億の人は散らかし放題。
・300万の人は友人と平等につき合うが、1億の人は平気で格差をつける。
・300万の人はつねに清廉潔白だが、1億の人は賄賂もためらわない。
・300万の人は他人に迷惑をかけないが、1億の人は迷惑をかけてもやり遂げる。


本書はこれらに対して、考えるきっかけを与えてくれる。もちろん、中には納得がいかないものもあるかもしれないが、「読んでムダ」と言わしめるものではない。大事なことは自分の欲望に素直をであることである。読みたいとそそられた瞬間に、ページを開いてみることがオススメである。その点では積読に向いている一冊かもしれない。


【エッセンスから学びたい方はこちらから】

マンガ版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人
マンガ版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人
学研プラス

24歳の私が45歳の教科書を読んでみた


教育改革実践家の藤原 和博さんの「45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ」 を読みました。


45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ
45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ
PHP研究所


【経歴】


東京都立青山高等学校⇒東京大学経済学部卒業⇒リクルート)入社⇒ロンドン大学ビジネス・スクール (LBS) 客員研究員⇒杉並区教育委員会・参与(教育改革担当)⇒杉並区立和田中学校校長に就任⇒大阪府特別顧問(政策アドバイザー)⇒佐賀県武雄市特別顧問⇒奈良市立一条高等学校校長に就任(現在は任期満了)



【45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ のマリアージュポイント】



・キャリアは掛け合わせ


私は、たまたまこの方の講演を聴く機会があった。
俗に言う生藤原経験者である。




この人の考え方は「再現性が無い」などと批判の対象になることがある。
私は、そのような議論をする気は毛頭ない。


しかし、この言葉に学ぶことは多いだろう。
あなたは、キャリアについて真剣に考えたことがあるだろうか?


塾講師として、私は自身がキャリア形成を出来ていないことを棚に上げて、1人1人のキャリアと向き合うことを一つのキャリアアンカーにしている。


【どんな本か】


45歳で読むには遅いのでは?と24歳ながら思います。
事例が華々しいので、再現性は低いと感じるかもしれない。
ただ、キャリアに対して考えるフックがたくさん垂れている。
パラパラと読み、気になった場所を深く読むのが良いかと。
※講演の方がブレストが混じるので、金銭的余裕がある方にはオススメ。


【合わせて読みたい本】

35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画
35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画
幻冬舎
2014-08-08
Kindle本

マーケティングって何だっけ?

原点回帰ということで、少し専門分野のマーケティングについて書いてみます。
注:私は、あくまで研究者見習いであり、ビジネス現場の人ではありません。


【マリアージュポイント】



・「ドリルを買う人が欲しいのは〝穴〞である」



【解説】


これは、1960年~70年に出版されたT・レビット博士の著書「マーケティング発想法」の冒頭に ある格言です。


《参考》

マーケティング発想法
マーケティング発


想法
ダイヤモンド社


マーケティングを学んだ学生ならほぼすべての人がこの話を知っています(知らない人は相当のもぐりか噓つきといっても過言ではないでしょう)。


ドリルを買うお客様の求めるものは、ドリル本体ではなく、〝穴〞。究極、穴が空けばキリでも良いということです。我々は、日常生活の中で、サービスやモノを〝手段〞として何らかの目的を成しえているのではないでしょうか。



では、この言葉は誰の言葉でしょうか?



この問いに答えられる学生は3%程度だと思います(経験に基づく推測)。実はこの言葉自体は、レビット博士の言葉ではないのです。文中で、レビット博士は、レオ・マックギブナという人の言葉を引用しています。


以後、40年以上マーケティングの世界ではこの言葉が引用されてきました。この言葉は、私がマーケティングを専門に学ぼうとなったきっかけの言葉です。


人によってこの言葉は大きく解釈が割れることも少なく、ある意味では、定番的で普遍的な言葉です。今日もこの言葉を通じて考えることがありました。


【ケーススタディ:ライザップは高価なサービスだが、なぜ売れていたのか?】


最近は、企業情勢の悪化によりめっきりCMを見なくなったライザップ。
彼らの勢いは記憶に新しいのではないでしょうか。
私自身も、その当時、学会誌にライザップに関する記事を投稿したことがあります。


私の問いは「ライザップは高価なサービスだが、なぜ売れていたのか?」です。
結論から申すと、前半部分は既に間違っていました。


ライザップの商品は何でしょうか?


・痩せること?
・トレーナーの熱心なサービス?
・最新のトレーニング?


すべて正解です。しかし、私は最近、このサービスの意外な付加価値を認識しました。
それは・・・



「信用(Credit)」です。



他者からの信用とはお金では評価出来ないものです。ライザップは、サービスを提供し、信用(Credit)の一部を販売したのではないでしょうか(太っている人が信用できないという話ではなく、変化を恐れないというビジネスパーソン的思考の話です)。


お金で評価できない付加価値を、結果として提供できてる印象を与えるCM。多くの人は、付加価値を無意識的に認識し、入会に至ったのではないかと推察しています。


これらの人にとって、そもそもライザップのサービスは〝高い〞買い物ではないのです。
マーケティングとはこのようなことを言うのではないでしょうか。


もちろん、マーケティングに正解は無いと思います。正確には、Bestは無いと思います。しかし、Betterは一定数存在しているとも感じます。


マーケティングを研究する我々は、そこにエビデンスを持って答えを報告する必要があります。もし、このブログを読んで頂いている方でマーケティングの現場の話が出来るかたがいらっしゃいましたらコメントにて率直な感想や意見をいただけますと幸いです。


【この話をもっと詳しく知りたい方へのオススメ】

ドリルを売るには穴を売れ
ドリルを売るには穴を売れ
青春出版社